胃潰瘍の人の食事

基本的な事柄

  胃・十二指腸潰瘍は、胃液による粘膜の自己消化によって潰瘍が発生します。原因としては、ピロリ菌感染によるものが多く、最近では非ステロイド系消炎鎮痛剤(痛み止め)やアスピリンによる薬剤性の胃潰瘍も増加してきています。
  そしてその誘因として、塩辛いものや甘みの強いもの、香辛料、アルコール飲料などの過剰摂取や暴飲暴食、不規則な生活習慣、過度のストレスや疲労などが挙げられます。治療方法としては薬物療法、食事療法、手術療法があります。治療方法の進歩により治癒率は大幅に向上しましたが、再発することも多いため、日常生活全般を見直し、規則正しい生活を心掛けることが再発防止の点からも大切です。

食生活のポイント

1.食べ過ぎを避け、偏りのないように食べる

  1度に食べる食事量が多くならないようにします。腹7分目程度控え目にします。ごはんやお粥、うどんなど主食は茶碗1杯程度と量を決めて食べましょう。
 たんぱく質は潰瘍を治療する上で必要です。脂肪の少ない肉や魚、卵や豆腐などを使った料理を1-2品、毎食食べるようにします。又牛乳は胃酸を中和する働きがあるので、間食などで取るようにします。食欲のない時は、間食の量を少し多めにし、栄養不足にならないようにしましょう。

2.消化のしにくい食品を避ける

   中華そば、さつまいも、ごぼう、はす、たけのこ、ふき、こんにゃく類、きのこ類、海藻類、パインアップルなどの繊維の多い食品は避けるようにしましょう。脂肪を多く含む肉や魚も消化しにくいので多く取り過ぎないようにしましょう。

3.刺激の強い食品を控える

   こしょう、とうがらし、にんにく、わさびなどの香辛料や、しょうが、しそ、みょうが、にらなどの香味野菜は控えめに使用しましょう。また空腹時には濃いコ-ヒ-や紅茶、炭酸飲料などは避けるようにします。

4.熱過ぎるもの、冷た過ぎるものを避ける

   極端に熱い汁物や冷たい飲み物などは避けるようにします。

5.塩味や酸味の強いものを控える

   塩味の強い漬物や干物、塩辛など塩分の強い食品を控えます。また、酢の物は酢を控えめに使用するなど、薄味も心掛けましょう。

6.食事は規則正しく、よく噛んでゆっくり食べる

   食事の時間が不規則にならないようにします。また、よく噛んで食べることにより、消化が促進されます。早食いの方は、よく噛むように心掛けることが必要です。
   これらの事柄に気を付けるほか、規則正しい生活と適度の運動も大切です。過労やストレスを避け、心配ごとの原因を減らすようにしましょう。歯の具合が悪く、食事がよく噛めないときは、早めに治療することも大切です。
                                   (更新 2024.12)