手作りのよさ
今日では、コンビニエンスストアやス-パ-でお弁当が販売され、繁華街に入れば和・洋・中華なんでも食べたいものが食べられます。「空腹を満たせばよい」「楽しみの一つだから、好きなものを食べる」では、栄養のバランスまで配慮が回らなくなります。
昼食は身体や脳の活動が一番盛んなときの食事です。1日に必要なエネルギ-や栄養素の3分の1を目安に、炭水化物や脂肪に偏らないようたんぱく質やビタミン、ミネラルなども十分に取る必要があります。市販のお弁当類は、年配者には脂肪や塩分が多く、野菜が不足しています。外食料理も、ラ-メンやチャ-ハンなどの単品料理だけでは栄養のバランスがとれません。
糖尿病や心臓病などがあって食事の量を減らす必要があるからと言って、ざるそばやかけうどんだけでは、活力ある体が維持できないばかりか病気の治療のうえからも適当ではありません。手作りのお弁当のよさは、家族一人ひとりに合わせてエネルギ-やたんぱく質、食塩などを調整することができます。また、旬の材料を活用することで経済的で季節感にあふれた料理としたり、家族の好みに合わせた料理や味付けにすることができます。
お弁当の作り方
1. 前もってあらましの献立を考えておく
夕食の残り物やあり合わせの材料で作ると、栄養のバランスが偏りがちになります。前日の夕食の買い物の際に、お弁当用の材料を購入するようにします。夕飯の時にしょうゆや砂糖でしっかり煮込む(きんぴらごぼうやひじきなど)煮物などは、少し多めに作っておくと翌日は加熱するだけでお弁当に利用でき、不足しがちな野菜の1品を補うことができます。
2. 栄養のバランスを考える
肉や卵、魚などの料理と野菜やきのこ、こんにゃくなどを使用した料理をそろえ、1品当たりの量は少なめにして、いくつかの料理を組み合わせるようにします。肉や肉の加工品が多く、野菜が少なくなりやすいので、生の野菜だけでなく煮物やいため物なども加えるようにします。
3. 濃い味付けの料理に偏らない
甘味、塩味、酸味(トマトケチャップや酢)などいろいろな味付けの料理を組合せ、塩分の多い濃い味付けの料理に偏らないようにします。しょうゆやソ-スなどは小袋を利用し、食べるときにかけて食べると塩分を少なくすることができます。
4. きれいに盛り付け、衛生面に注意する
お弁当は調理してから食べるまでの時間が長いことから、調理は清潔を心掛け、煮物や焼き物、揚げ物、卵料理などは十分に加熱します。
材料に赤や緑、黄などの色を持つ野菜を加えたり、飾り付けに使用すると色彩が豊になります。肉や魚、卵など形のしっかりした料理は、少し斜めに立て加減に置くと立体感がでます。
料理は山型のビニ-ルバランやレタスなどで仕切ったり、煮物やあえものなど水分の多い物は、アルミカップに盛ってから詰めると味が混ざるのを防ぐことができます。
ご飯やおかずを熱いうちに詰めて蓋をすると、熱が中にこもり腐敗や食中毒の原因になりやすいので、よく冷ましてから詰めるようにします。梅雨どきから夏の間にかけては腐敗しやすいので、ご飯を酢飯にしたり、梅干しを入れると酸の防腐効果により腐敗の予防に役立ちます。
(更新 2024.12)