梅雨が明けると、本格的な夏がやって来ます。じっとしていても汗が出て疲れる。寝苦しさからの睡眠不足、食欲不振など、「夏バテ」を起こしやすい条件が重なります。涼風の立つころになると体調を崩し、病院通いをする人も少なくないとか。早めの予防対策が肝心です。
3度の食事がまず決め手
高温多湿の時期は体力の消耗が激しく、胃腸の働きも衰えがちになります。暑いからといって、冷たい物やそうめん、ひやむぎなどあっさりした食べ物でつい済ませがちになりますが、これでは栄養のバランスを欠き、赤信号がともってしまいます。特に、朝食は1日の活動力のもと、体のリズムを整えるために欠かせません。朝顔の花を眺めたり、深呼吸のひとつもするなど余裕を持ってしっかり食べたいものです。スタミナを付ける食事づくりには、ご飯やパンなどの主食とともに良質のたんぱく質を含む肉や魚、卵、大豆製品などを毎食に1~2品取り入れるようにします。暑さのためにビタミンB群の消耗が多くなるので、肉類や豆類、落花生、きのこ類、にらなどのほか、ビタミンCを豊富に含む野菜や果物なども取るようにします。
食欲を増進させる調理のコツ
身近にある旬の新鮮な材料を生かし、目先や味付けに変化を付け、思わず箸を付けたくなるような料理の工夫をしましょう。
- 酸味を利かせる
さっぱりして食欲が増します。酢の物、酢豚、すしなどのほか、レモンの絞り汁などを上手に利用します。 - だしを利かせる
かつお節や煮干し、こんぶ、干ししたいけなどでだしをよく取って、煮物やス-プ、みそ汁などをおいしく作ります。 - 香辛料や香味野菜を利用する
香辛料や香味野菜には胃液の分泌を促進し、食欲を増進させる働きがあります。こしょうやとうがらし、にんにく、カレ-粉、わさび、しょうが、みょうが、ねぎ、しその葉などを香辛料や薬味として使用しましょう。 - 少し塩辛くするのもよい
梅干し、漬物なども食欲がでます。多く取り過ぎないように使用しましょう。 - 料理の温度を工夫する
ときにはあつあつの物や、逆に冷えた冷たい物など料理の温度に変化を付けると食べやすくなります。
食欲をなくす落とし穴
甘い菓子類などは胃液の分泌を抑えやすいので、間食や食事の前に多く取り過ぎないようにします。また、水分や冷たい食べ物の取り過ぎは胃液を薄めたり、胃液の分泌を抑えるので程々にしましょう。アイスクリ-ムや清涼飲料水など砂糖の多く含まれる食品は控えめにし、麦茶や緑茶、牛乳などで水分を取るようにします。
リズムある生活を
規則正しい生活と適度の運動を心掛け、生活のリズムを保つようにします。また、睡眠は十分に取って疲れをため込まないようにすることも大切な事柄です。食事と日常の生活に気を付け、夏を元気に乗り切りましょう。
(更新 2024.12)