「休養」は栄養・運動とともに体と心の健康づくりに欠かせない要素とされています。労働時間や家事労働の短縮で、自分で自由に使える時間が増えつつある昨今、健康・余暇志向も高まってきました。一方では、2020年からはコロナ禍の影響も重なりストレスによる心身の悩みを抱えている人も増加して、生体リズムの乱れや自律神経・ホルモンバランスの崩れが顕在化し、不調をきたす方が増えています。
子どもから高齢者まであらゆる人が健康づくりに取り組んでいくためには、栄養、運動面でバランスを取るとともに、休養が日常生活の中に適切に取り入れられた生活習慣を確立することが重要であると考えられ、1994年(平成6年)、厚生省(現厚生労働省)が休養の普及・啓発を目的に「健康づくりのための休養指針」を策定しました。2003年(平成15年)以降改定を重ね、2024年(令和6年)には「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を策定し、成人、こども、高齢者の対象別に良質な睡眠をとるための睡眠5原則を「Good Sleep(ぐっすり)ガイド」としてまとめています。体を休めるだけでなく、積極的な休養として運動や趣味の活動で心身のリフレッシュをすることが、良い睡眠につながるとされています。つまり、睡眠による休養感が、こころの健康に重要なのです。
休養とは、疲労回復などで「休む」ことと、明日に向かって英気を「養う」など自らが積極的に社会参加をするなど、ゆとりあるライフスタイルを作り上げることをいうわけです。
Good Sleepガイド
1. 適度な長さで休養感のある睡眠を
- こどもは年齢にあった十分な睡眠時間を確保
- 成人は6時間以上を目安に十分な睡眠時間を確保
- 高齢者は寝床に8時間以上とどまらない
2. 光・温度・音に配慮した、良い睡眠のための環境づくりを心がけて
- 寝る前、寝床の中でのテレビ・ゲーム・スマホ使用を控える
- 寝室はなるべく暗く、心地よい温度に調節しよう
3. 適度な運動、しっかり朝食、寝る前のリラックスで眠りと目覚めのメリハリを
- 起床後から日中にかけて太陽の光を浴びて運動しよう
- 昼寝は午後の早い時間で短時間にとどめましょう
4. 嗜好品とのつきあい方に気をつけて
- カフェインの取り過ぎに要注意
- お酒、たばこは控えめに
5. 眠れない、眠りに不安を覚えたら専門家に相談を
それぞれの項目の中で各フレーズから、自分にとって生活のなかに取り入れられそうなものを自分なりに工夫して実践していきましょう。
厚労省: Good Sleepガイド
(更新 2024.12)