「休養」は栄養・運動とともに体と心の健康づくりに欠かせない要素とされています。労働時間や家事労働の短縮で、自分で自由に使える時間が増えつつある昨今、健康・余暇志向も高まってきました。一方では、2020年からはコロナ禍の影響も重なりストレスによる心身の悩みを抱えている人も増加して、生体リズムの乱れや自律神経・ホルモンバランスの崩れが顕在化し、不調をきたす方が増えています。
子どもから高齢者まであらゆる人が健康づくりに取り組んでいくためには、栄養、運動面でバランスを取るとともに、休養が日常生活の中に適切に取り入れられた生活習慣を確立することが重要であると考えられ、1994年(平成6年)、厚生省(現厚生労働省)が休養の普及・啓発を目的に「健康づくりのための休養指針」を策定しました。2003年(平成15年)以降は、「休養・こころの健康」に焦点を定め、「健康づくりのための睡眠指針:~快適な睡眠のための7か条~」が策定されています。2014年(平成26年)に改定された睡眠指針では、睡眠12箇条「睡眠はこうとるべし!」と題して「睡眠12箇条」が示されています。体を休めるだけでなく、積極的な休養として運動や趣味の活動で心身のリフレッシュをすることが、良い睡眠につながるとされています。つまり、睡眠による休養感が、こころの健康に重要なのです。
休養とは、疲労回復などで「休む」ことと、明日に向かって英気を「養う」など自らが積極的に社会参加をするなど、ゆとりあるライフスタイルを作り上げることをいうわけです。
健康づくりのための休養指針
1. 生活にリズムを
- 早めに気づこう、自分のストレスに
- 睡眠は気持ちよい目覚めがバロメーター
- 入浴で、身体もこころもリフレッシュ
- 時には旅に出かけて、こころの切り換えを
- 休養と仕事のバランスで能率アップと過労防止
2. ゆとりの時間で実りある休養を
- 1日30分、自分の時間を見つけよう
- 生かそう休暇を、真の休養に
- ゆとりの中に、楽しみや生きがいを
3. 生活の中にオアシスを
- 身近のなかにも憩いの大切さを
- 食事空間にもバラエティを
- 自然との触れ合いで感じよう、健康の息吹きを
4. 出会いときずなで豊かな人生を
- 見出そう、楽しく無理のない社会参加
- きずなのなかで育む、クリエイティブ・ライフ
それぞれの項目の中で各フレーズから、自分にとって生活のなかに取り入れられそうなものを自分なりに工夫して実践していきましょう。
(更新 2023.12)