2019年(令和元年)の国民健康・栄養調査結果によれば、「朝食抜き及び菓子・果物のみ」の割合は、男性14.3%、女性10.2%で、男性は20歳代27.9%、30歳代27.1%、40歳代28.5%、50歳代22.1%、女性は20歳代18.1%、30歳代22.4%、40歳代17.1%、と勤労世代で高くなっています。
夜間のFast(空腹)をBreak(破る)朝食は、極めて大切です。脳の働きや健康と深い関係があることが知られています。
朝食は 1日の活動源
朝食と成績の関係を調べた研究は、それほど多くありませんが、中学生並びに大学生における調査研究において、朝食をきちんと食べている者の方が朝食を食べていない者より成績がよいという報告があります1),2)。これは、朝食を抜くと体温が上がらないまま、脳に十分な栄養が行きわたらず脳の働きが鈍く、午前中いっぱい体がだるく、頭がすっきりしないからだと考えられています。
また、朝食抜きは肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を招きやすくします。1日の食事の回数が少ないと夕食で取った多くのエネルギ-が体脂肪として蓄積されやすくなり太ってしまうのです。肥満が高血圧や糖尿病にとってよくないことは知られているとおりです。
生活リズムを整えるために、余裕を持って少し早起きし毎日朝食を食べる習慣を付けるようにしましょう。
どんな朝食にするか
- 脳のエネルギ-を補給するためのご飯やパンなどのでんぷん質を多く含む食品
- 体温を上げるため肉・魚・卵・大豆・乳製品などのたんぱく質を多く含む食品
- 体に活力を付けるため野菜や果物などのビタミンとミネラルを多く含む食品
これらを組み合わせてとることが基本になります。
「ご飯とみそ汁」、「パンとコ-ヒ-」だけでは、1日のよいスタ-トは切れそうもありません。
ご飯のときは、たくさんの野菜を入れたみそ汁やお浸しと、卵あるいは大豆製品、焼き魚などを組み合わせましょう。
パンのときは、野菜のサラダと、卵やチーズ、ヨーグルトなどを一緒に食べましょう。
短時間でできる朝食の工夫
- パンやご飯の他に、たくさんの野菜や肉を入れたス-プを加えたり、野菜たっぷりのみそ汁に卵を落とす。
- たくさんの野菜と魚、肉、卵、大豆、乳製品を使ったサンドイッチ、丼、うどんなどの単品メニューは短時間で洗い物も少なくできます。
時間がないからといって毎日朝食を抜くのではなく、短時間でできる料理を工夫して、朝食を食べる日を増やすようにしましょう。参考文献
1) https://web.archive.org/web/2018103014125lid_/https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashil941/38/6/38 _6 _283/ _pdf
2) https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/panel/dp/PanelDP _079Ogawa.pdf(更新 2024.12)