食塩は1日に、男性7.5g未満、女性6.5g未満に
塩分(食塩)の取り過ぎが高血圧の原因になることは、よく知られています。高血圧は心臓病や脳卒中の誘因になります。また、脳卒中はお年寄りが寝たきりになる原因の1位に挙げられています。高血圧を予防することは、寝たきりを防ぐうえからも大切なことと言えます。
食塩の摂取目標量は、男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満を目標に多くならないように注意しましょう。
国民健康栄養調査の結果によれば、減塩運動の効果もあって食塩の摂取量は、少しずつ減少し、令和元年は、全平均10.1グラム、男性10.9グラム、女性9.3グラムとなっています。年齢階級別にみると男女共に60歳代で最も高くなっています。
味覚は加齢に伴って鈍くなってきます。しらずしらずのうちに濃い味付けになり、食塩の取り過ぎになりやすいので注意することが大切です。
塩分(食塩)を少なくするための工夫
しょうゆやみそなどの調味料や漬け物、魚および肉などの加工品には食塩が多く含まれています。これらの食品が多くならないように注意したり、薄味でもおいしく食べられる料理の工夫をするなどにより、1日に摂取する塩分の量は容易に減らすことができます。
次のような工夫を心掛けましょう。
- 食塩を多く含む食品は、1日に多く取り過ぎない
みそ汁やめん類などの汁物、漬け物、つくだ煮、干物や練り製品、肉の加工品などは頻繁に食べないようにし、また、量が多くならないように注意しましょう。砂糖としょうゆの濃い煮物なども多く食べ過ぎないようにしましょう。 - 塩味は重点的に付ける
塩味を付ける料理がいくつも重複しないように、塩味が少なくても食べられる酢や香辛料、風味の良い食品などを使った料理を組み合わせるようにします。 - 酸味を利用する
レモン、酢、ポン酢、トマトケチャップを使ったあえ物、いため物などは塩分が少なくてもおいしく食べられます。 - うま味のある食品を利用したり、だしを良く取る
煮物や汁物などは、かつお節や煮干し、昆布などでだしを良く取ることにより、薄味でもおいしく食べられます。また、海藻類やきのこ類などを使った煮物やあえ物なども食塩が少なくてもおいしく食べることができます。お浸しやてんぷら、焼き魚などは、しょうゆをだし汁で薄めた「割りしょうゆ」や「てんつゆ」などでもおいしく食べられます。 - 食品の風味を利用する
ごま、きな粉、クルミ、ピ-ナッツ、海藻類、ごま油など風味の良い食品を使ったあえ物やいため物、油やバタ-などを使った揚げ物やいため物、焼き物などは薄味でもおいしく食べられます。 - 香辛料や香味野菜を活用する
こしょう、とうがらし、にんにく、わさび、あさつき、みょうが、わけぎなどを使用すると薄味でもおいしく食べられます。
高血圧や心臓病などがあって、塩分の制限を行う場合に気を付けたいことは、塩分の取り過ぎに気をとられ過ぎると、魚、肉、卵、豆腐などの良質のたんぱく質を含む食品が不足しやすくなる傾向があります。
これらの食品は不足しないよう、毎食にどれか取り入れて十分に食べるようにします。
また、野菜や海藻、きのこ、果物、牛乳なども不足しないようにしっかり食べることも大切です。普段から食事に気を付け、自分の体力に合った無理のない適度の運動を心掛け、十分な睡眠を取って疲労を翌日に残さないことが、元気に過ごす決め手になります。
(更新 2023.12)