コレステロ-ルと健康
コレステロ-ルは、食べ物から摂取されるほか、主として肝臓で合成されます。コレステロ-ルは、細胞膜の構成要素であるとともに、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、胆汁などの原料として重要な働きをしています。
血液中のコレステロ-ルの値は、動物性の脂肪やエネルギ-の過剰摂取、運動不足などの場合には高くなり、たんばく質やエネルギ-などが不足し、栄養状態があまり良くないときは低くなります。
高齢者の場合は、心臓病などほかになにか病気があって、医師から注意をされている場合を除いて、低すぎるよりも、少し高め程度のほうが良いといわれています。
低い場合は、朝、昼、夕の3食を規則正しく食べ、魚、肉、卵、大豆製品や、ご飯、いも、野菜、海藻などを十分に取るようにします。また、間食も時間や量を決めて、果物、牛乳、ヨ-グルト、菓子類などを取り、低栄養にならないように注意しましょう。
コレステロ-ルが高いと
血液中のコレステロ-ルの値が高くなると、血管の内側にコレステロ-ルが沈着し、動脈硬化を起こす原因になります。動脈硬化が起こると脳血管障害(脳卒中)や虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)などになりやすくなります。
コレステロ-ルが高くなる原因としては、コレステロ-ルが高くなる病気のある場合(二次性)と体質に基づく本態性のものとがあります。原因になる病気がある場合は、その病気の治療をすることが必要になります。原因になる病気のない家族性の場合は、食事の取り方に注意し、毎日、適度の運動を心掛けることが必要です。
コレステロ-ルを下げるための食事
- エネルギ-を取り過ぎない
肥満の場合は、改善を図るうえから、エネルギ-を取り過ぎないことが大切です。ご飯、パン、めん類などの主食や、砂糖を多く含む菓子類などは多く取り過ぎないようにしましょう。 - 動物性の脂肪を控え、植物性の油の割合を多くする
肉類などの脂の多い部分やラ-ド、バタ-などの動物性の脂が多くならないように気をつけ、魚や植物性の油の割合を多くします。 - 食物繊維を十分に取る
食物繊維はコレステロ-ルの吸収を抑えたり、胆汁の再吸収を抑制し糞便への排泄を増加し、コレステロ-ルの低下に役立つといわれています。
いも類、野菜、海藻、きのこ、コンニャク、果物などは十分に食べましょう。また、ご飯などの主食は少な過ぎないよう、一定量を食べましょう。 - たんぱく質が不足しないようにする
魚、肉、卵、大豆製品などが不足しないようにします。肉類は脂肪の少ない部分を選ぶようにします。豆腐、納豆などの植物性のたんぱく質も十分に取りましょう。 - 味付けは薄味を心掛ける
塩味が強いと砂糖や油も相対的に多くなり濃い味付けになります。かつお節や煮干、昆布、干しいたけなどで「だし」を良く取って薄味を心掛けましょう。
(更新 2024.12)