生後間もない乳児にとって母乳は発育に必要な栄養素をすべて備えた完全栄養食品ですが、成長に伴って母乳だけではエネルギ-やたんぱく質、鉄分などの栄養素が不足するようになります。このため、5、6ヶ月ごろから離乳をはじめ、離乳食を通して食べ物を噛んで飲み込むことや食べ物の味を覚え幼児期を経て大人と同じようなものが食べられるようになります。
また、乳幼児期から学童期にかけて、好き嫌いなくいろいろな食品を食べる、3食を規則正しく食べる、よく噛んで食べる、箸を正しく使って食べる、食べ物を大切にするなどの良い習慣を身に付けていきます。
こうした、成長・発育や日常生活の変化、年齢に合わせた食事の取り方を正しく理解し、習慣付けることが、糖尿病、心臓病などの生活習慣病を予防し健康寿命の延伸につながります。
この項では、それぞれのライフステ-ジにおける食生活の基本的な事柄と、気を付けたいいくつかの項目を取り上げてあります。
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乳幼児期
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学童期
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思春期
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高齢期
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- 高齢者の食事と健康加齢と生理機能 私たちの体は加齢に伴い、体の機能のうちでも食事や栄養に関係の深い各種の器官に変化が生じてきます。…
- 高齢者の食事元気で長生きは、食事が決め手 都市化の進展や少子社会の進行などにより、核家族化が進み高齢者夫婦だけの家庭が増加し…
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