たばこは、なぜやめられない
たばこは、肺がんをはじめ、多くのがんや心臓病、脳血管疾患などにかかるリスクが高くなります。また、低出生体重児や流産、早産など妊娠に関連した異常の原因になったりもします。
たばこが体に良くないことは、誰でも知っていますが、たばこの害を知っていながら、やめられないのはどうしてでしょうか。「意思が強ければ、やめられる」と周りから言われたりするけど・・・なかなか簡単にはやめられません。確かにスパットやめた方もいますが、やめられない方も多いようです。
それは、たばこには依存性があるためです。たばこを吸うことで、ニコチン依存や心理的・行動的依存が身に付いてしまうためです。
1.ニコチン依存
たばこを吸っていると、たばこに含まれるニコチンという依存性物質によって依存性が身に付いてしまいます。
たばこを吸わないでいると、イライラする・落ち着かないといった離脱症状(禁断症状)が出たりします。
2.心理的・行動的依存
たばこを吸う行為が習慣化したことによる依存です。考え事をするときやたばこを吸って心地よい記憶など、この依存になります。
たばこをやめない理由は何ですか?
たばこを吸うことによる自分や、自分の周りの人の健康に及ぼす害を考えたことはありますか?
たばこをやめたときのメリットを考えたことはありますか?
何気なく吸っているのではないですか?
禁煙の効果
1.健康的になります
①血圧や血液中の酸素濃度が改善します。
②味覚や嗅覚が正常になります。
③肺機能が改善し、咳や息切れなどが改善されます。また、風邪などの呼吸器感染症にかかりにくくなります。
④肺がんや心臓病、脳血管疾患などにかかるリスクが減少します。
などにより、健康的になります。
2.出費が減ります
禁煙することで、たばこ代が節約できます。1日に460~580円のたばこを1箱吸う人が禁煙すると、1年間で17~20万円の節約ができます。加えて、たばこが原因で発症する病気にかからないため、医療費の削減になるかもしれません。お財布にも健康にもうれしいことです。
受動喫煙をなくす
喫煙者が吸う煙を主流煙といい、たばこの先の点火部分から立ち上がる煙を副流煙といいます。副流煙は、主流煙よりも多くの有害物質が含まれており、約70種類の発がん物質を含むといわれています。
愛煙家のそばにいると、自分の意思とは関係なしに、発がんのリスクを負わされていることになります。
受動喫煙の防止の観点から、現在は、各種の行政機関や医療機関、ホテル、駅などの公共施設での禁煙が進んでいます。
禁煙する”きっかけ”
5月31日は「世界禁煙デー」です。日本では、その日から1週間、禁煙週間になります。世界禁煙デーを機にたばこをやめる決心をしたらどうでしょうか。
特に、痰や咳がでる、少し階段を昇っただけで息切れがするなどたばこを吸うことによる害ではないかと思われるような体の異常があるときや、家族に子どもや妊婦の方がいるとき、孫が生まれたときなどは、禁煙を決心するときです。
依存性のあるたばこをやめるには、自分の禁煙の決意に加えて、専門家のサポートを受けることをお勧めします。禁煙外来のある病院も増えてきました。
治療薬剤を使用することにより、禁煙の成功率が高くなります。
たばこの替わりに「ガムをかむ・飴をなめる」など自分に合う禁煙の方法を見つけて、禁煙を成功させてください。案外と簡単にやめられるかもしれません。
きっと、やめて良かったと思う日が来ます。
(更新 2024.12)