基本的な事柄
肥満は消費したエネルギ-量に対し摂取するエネルギ-量が多いため、余ったエネルギ-が脂肪に変わり皮下などに異常に蓄えられることにより生じます。食べ物やアルコ-ル飲料の過剰摂取と運動不足などが肥満の原因になります。肥満になると心臓の機能が低下したり、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の誘因になります。
また、足や腰に過重な負担がかかるため関節障害や腰痛の原因にもなります。標準体重を目指して減量することが必要です。
日本肥満学会ではBMI(Body Mass Index 日本語では体格指数) 25以上のものを肥満と定義し、肥満に関連して発症する健康障害の予防および治療に、医学的に減量が必要である病態を肥満症と定義しています。
BMI は体重(キログラム)を身長(メートル)で2回わることによって求めます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
日本肥満学会の肥満度分類(判定)
BMI 18.5未満は低体重、18.5以上25.0未満は普通体重、25.0以上30.0未満は肥満1度、30.0以上35.0未満は肥満2度、35.0以上40.0未満は肥満3度、40.0以上は肥満4度になります。
自分の標準体重の計算法を知りましょう。 標準体重=身長(m)×身長(m)×22
BMI が25.0以上35.0の範囲の肥満1度から肥満2度程度の人の
目標摂取エネルギー量(kcl/日)=25(kcal/kg)×標準体重(kg)
肥満は、食事全体のエネルギ-の量を減らし、体をよく動かしてエネルギ-の消費量を増やすことにより、皮下などに蓄積した脂肪が燃焼され体重を減らすことができます。体脂肪1キログラムは約7千キロカロリ-に相当するので、毎日、250キロカロリ-程度(ご飯180グラム=茶碗 1杯半、もしくは、ショ-トケ-キ1個弱程度、大福もち1個程度)のエネルギ-を減らすことにより、1ケ月で体重を1キログラム減らすことができます。この程度のエネルギ-の量は、食事の取り方に少し気を付けることにより容易に減らすことができます。
食生活のポイント
1.1日3食バランスよく食べましょう。主食、主菜、副菜をそろえて
主食:ごはん パン 麺類
(炭水化物のとりすぎ、食べ過ぎに気を付けましょう)「一定の量を守って食べる」
主菜:肉 魚介類 卵 大豆製品 乳製品
(たんぱく質をしっかりとりましょう)
副菜:野菜 海藻類 きのこ類
(低エネルギー食品、食物繊維も取れます。十分に摂取しましょう)
2.油の取り過ぎに注意しましょう
揚げ物やマヨネ-ズ、パンに付けるバタ-など油を多く使用する料理は、1日に重複して取らないよ うにします。脂肪の少ない食品を選びましょう。植物性の油を使用するようにします。使いすぎには注意しましょう。
3.間食は、できるだけ控えましょう
菓子類や清涼飲料などの間食を避けましょう。(水やお茶などエネルギーのないものに)
時間と量を決めて摂取しましょう。夜食は、控えましょう。
4.ゆっくりよく噛んで食べましょう
5.アルコールの飲み過ぎに注意しましょう
活動的な生活を
日常の生活に体操や散歩など手軽にできる運動を取り入れ、活動的な生活を心掛けます。日ごろ運動をしていない人や肥満度の高い人は、いきなりジョギングや縄跳びなどを行うと関節障害の原因になることもあるので、軽いものから少しずつ進めましょう。
散歩は容易にでき、気分転換にもなるので、早足で1日30分以上歩くことを心掛けます。心臓病や高血圧などの病気がある人は、医師に相談して許される範囲の運動を行いましょう。
(更新 2023.12)