基本的な事柄
幼児期は、乳児期についで身体の発育が盛んで、この時期の栄養の良否は、成長・発育に大きく影響します。エネルギーの取りすぎや運動不足は幼児肥満に、長期にわたる栄養不足は低身長や低体重などの原因になります。幼児期は1回に食べられる量は限られます。1日3回の食事では必要なエネルギーや栄養量を満たすことは難しいため、間食で補う必要があります。また、正しい食事のマナーや食習慣を養う重要な時期でもあります。規則正しい生活が身につくようにしましょう。
2005年(平成17年)に制定された「食育基本法」では、子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要であるとし、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができるよう、幼児期に「食を営む力の基礎を培う」食育が位置付けられました。
子どもが健康で健やかな人生を送るための食生活を考えてみましょう。
おいしく食べる工夫を
離乳が完了しても、乳歯のはえそろう3歳ごろまでは、調理形態に配慮が必要です。食べることが楽しい、自分で食べたいという意欲を大切にしながら、食事に配慮しましょう。
1.バランスの良い食事を
毎日の食事は、主食と主菜、副菜、汁物(牛乳や麦茶を含む)を柱に、料理を組み合わせ、多種類の食品をとるようにします。幼児期に多くの食品を体験させることで偏食を防ぎ、心身の発達によい影響を与えます。
2.調理に一工夫を
味覚が発達し、咀嚼力もついてきますが、大人と比べるとまだ弱く、子どもの発育に合わせて、硬さの調整をします。肉は小さめに切ったり、ひき肉を使ったり、野菜も小さめに切ったり、柔らかく火を通してあげる必要があります。ぱさぱさしたもの、生野菜はたべにくいことが多いので、スープにしたり、片栗粉でとろみをつけてあんかけにすると食べやすくなります。また、味付けは薄味にし、食材の味を大切にしましょう。大人の味付けよりも薄くするよう心がけましょう。
3.間食は食事の一部
間食は、1日3回の食事で足りない部分を補う役割を持ちます。お菓子だけでなく、牛乳・乳製品・いも類・果物・パンやご飯など食事で不足しがちなものがお勧めです。1日1~2回、できるだけ決まった時間に食べましょう。水分補給の時間としても大切です。水分も一緒に取りましょう。
4.食事環境
早寝早起きをし、朝ご飯を食べて排便をする習慣をつけましょう。また、食べるときはテレビなどを見ながらの食事はやめましょう。食べることに集中できる環境づくりが大切です。よく噛んで食べ、時間を決めて食べましょう。
また、子どもの成長に合わせた食器や食具(スプーンやフォーク、はし等)を使用しましょう。自分で食べる喜びを学び、食具の使い方、マナーを覚えていきます。子どもだけの食事にせず、家族そろって楽しく食べるようにしましょう。
5.体を動かす
空腹に勝るおいしさなし、といいます。空腹で食卓に向かうと、あまり好きではない食べ物もおいしく食べられることがあります。体をしっかり使って遊ぶ楽しさを、大人が相手をしながら教えるようにしましょう。
(更新 2024.12)