公衆衛生事業部(第2回中央研修会) 終了報告 

 

開催趣旨・目的

 公衆衛生に従事する栄養士・管理栄養士が「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」の知識を深め、県民の健康の維持増進に貢献する栄養士・管理栄養士の育成を図ることを目的とする

日 時
2024年10月14日(月・祝)
午後2時00分から午後4時00分まで
(受付:午後1時30分から1時50分)
※ZoomミーティングによるWEB開催
内 容
講演 「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」
講師 順天堂大学 国際教養学部 国際教養学科 
   教授 田村好史 氏
*生涯教育実務研修1単位になります。
添チラシ参照  *次第参照
講演資料は会員専用コンテンツに掲載
対象および定員
千葉県栄養士会会員で、上記内容に関心のある栄養士・管理栄養士
100名程度、会員外 若干名
参加費
千葉県栄養士会会員無料、会員外7,000円
申込方法

添チラシ参照>の記載の二次元コード又は下記のQRコードより

10月1日(火)までにお申し込みください。
※参加申込み者が多数の場合は、千葉県栄養士会公式YouTubeチャンネルにおけるオンデマンド配信による受講をお願いする場合があります。申込み者多数の場合にYouTubeでのオンデマンド受講が可能な方は、申込フォームでの選択をお願いします。
但し、生涯教育単位取得証明書の交付は当日参加者のみに限らせていただきますので、予めご了承ください。

オンデマンド配信について
 今回の研修は、千葉県栄養士会公式YouTubeチャンネルでオンデマンド配信(当日の講演内容を録画したものを配信)します。
配信期間や視聴方法等は、公衆衛生事業部会員及び参加申込者に改めて御連絡いたします。

 参加申込先

参加希望者は上記の二次元コードまたは下記のURL(申込フォーム)よりお申し込みください。
【申込期限 2024年10月1日(火)】https://docs.google.com/forms/d/1R6EUmMBi6vscMcLtzKqlQRL
8uL_aAjIFgDS19y0vl5k/edit

事 業 報 告
事業名

講演「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」
       講師 順天堂大学国際教養学部国際教養学科 教授 田村 好史 氏

参加者数

会員54人(会員のみ・事務所参加者9人を含む) 【ZOOMによるWEB開催】

内 容

日本の高齢化は急速に進んでおり、多くの人々が人生の最後の10年間に介護が必要となる状況に直面している。
介護が必要となる理由として、男性は血管系の病気が多く、その背景にはメタボリックシンドロームが関与していることが多い。一方、女性は認知症や筋骨格系の病気が多く、ロコモティブシンドロームやサルコペニア・骨粗しょう症が関係している。傾向はわかってきているが、どのタイミングでどのような対策をとればよいのかというエビデンスは少ない。

<代謝的肥満>
代謝的肥満とは、標準体重であっても、内臓脂肪が多く、代謝異常を伴う状態を指す。太っていなくてもリスクがあれば代謝的肥満になりやすい。インスリン抵抗性が進行することで、筋肉細胞への栄養供給が不十分になり、筋肉の質が低下する。食べる量と運動量が少ないと、筋肉の質が落ち、代謝的肥満になる。アジア人において正常体重代謝的肥満はサルコペニアに注意が必要である。
<痩せた女性のリスク>
20歳代女性の痩せ率が増加しており、これに伴う健康リスクが深刻な問題となっている。特に、運動習慣の有無による2極化が顕著であり、運動習慣のない者はエネルギー低回転型の生活習慣と推察される。痩せがもたらす女性の健康リスクの一つに低出生体重児があり、様々な疾患との関連性が指摘されている。DOHAD(Developmental Origins of Health and Disease)の概念によれば、胎児期や乳児期の環境因子が成長後の健康や疾患リスクに影響を与えるとされており、生涯にわたる健康リスクや、次世代にも影響を及ぼす可能性が考えられる。健康日本21でも若年女性のやせ、骨粗しょう症の受診率について取り上げられ、今後、定期健康診断の画像から骨粗しょう症のリスクを判定する取り組みが進んでいく。
胎児期から高齢期にいたるまでの人の生涯を経時的に捉えた健康づくり(ライフコースアプローチ)の観点からも、痩せに偏った価値観からの脱却が必要であり、価値観の転換には教育現場や健康づくりを推進する企業を巻き込んだ多面的な取り組みが必要である。
<身体活動ガイドライン>
マルチコンポーネント運動は、有酸素運動と筋肉トレーニング、バランス運動を組み合わせた運動のことで、複数の運動要素を組み合わせることで、心肺機能、筋力、バランス能力を総合的に向上させるため、生活習慣病の予防や、日常生活の質の向上に寄与する。また、高齢者にとっては、バランス運動が転倒リスクを減少させる効果がある。個々の体力レベルや健康状態に合わせて調整できるため、無理なく継続できるのも特徴。

感 想 ライフコースアプローチを取り入れた健康教育や栄養指導はこれから必要な考え方となる。今回は代謝的肥満と女性のやせという全体的な健康問題から、胎児期から高齢期にいたるまでの人の生涯を経時的に捉えた健康づくりについてお話しいただいた。個々のライフステージやニーズに応じた支援が重要であるとともに、これからは教育機関や企業と連携し、多面的なアプローチで対象者を支援していくことも重要であると再認識した。

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